宮の杜 |
日本は、古代から「豊葦原の瑞穂の国」と言われてきました。気候温暖で四季の変化に富み、 豊かな自然に恵まれた美しい風土に生活した私達の祖先は、やさしい恵みと、時には厳しい試練 を与える大自然に、人間を超越した霊力を感じ、森羅万象を司り、国土を創造し、国や人を加護 する神の存在を知り、これらの神々に感謝と畏敬の念を捧げて参りました。 神道は、我が国の風土と、感性豊かな遠い祖先が培ってきた、わが国固有の民族信仰です。 神道には、教祖、教典はありません。 「古事記」「日本書紀」には神々のことが記述されていますが、他宗教の教典とは性質を異にします。 そこには躍動する生命観、素朴ながらも宏大な宇宙観・世界観が、民族の息吹として描かれています。 神道では、自分の生命と霊魂は親から授けられたものであり、更に祖先から継承され、そして生命の神々、 天地創造の神々へとたどりつきます。自然神も祖霊神・偉人神も身近に存在して、「まこと」即ち「真実さ」と 「明き清き正しき」心で奉仕したとき、神霊に感応し神徳を受けることができます。 神道は自覚の有無にかかわらず、日本人の血の中に流れ、個々人の人格形成及び、家庭、地域社会、 国家等の生活共同体を支えてきた、日本人固有の伝統的精神文化ということができます。 |