宮の杜




2、神 社


 日本全国、高層ビルの建ち並ぶ都会の中にも、山村僻地の集落にも、人の住む町や村があれば「おみや」とよばれたり、「おやしろ」と称される神社があります。その総数は現在約八万社あります。いまさらながら日本人と神道のつながりの深さがわかります。
 ところが、神社とは何かとあらたまって問われたら、どのように答えたらよいでしょうか。「神様をおまつりしているところ」と答えると、家庭の神棚も神様をまつっているところですが、神社とは言いません。神社にはいくつかの条件がありますが、まず、御祭神がまつってあること。  それから、礼拝のための社殿があり、神社神道に従って祭祀が行なわれ、神職がいて、その神社を支える氏子や崇敬者がいることが必要となってきます。
しかし、神様をまつる場として、古代から社殿のある神社があったわけではありません。
はじめは、森、岩石、丘、島など神聖さを感じ、神がおられる「カンナビ」と称されるところや、石で築かれた「イワサカ」、常緑樹を立てた「ヒモロギ」に神を招き祭祀を行っていたのです。
その後、いろいろな経過をたどって常に神様のいます社殿ができたものと考えられます。
 神社と言えば鎮守の森を連想します。「神の杜(もり)」とは神社をさすことばでもあります。
神社は、神様と接する神聖で清浄な場であるとともに、われわれ日本人にとっては、「心のふるさと」であります。

五月

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