宮の杜




20、神と人との共食(直会)


 厳粛な祭典が終わり、神様にお供えした神せんを祭りに参加した者が、一堂に会していただき、共に食することを「直会」(なおらい)といいます。
 これは、神様にお供えしたお酒などをいただくことにより、新しい生命を与えられ、更なる力を付加されるという意味を持っています。
 また、直会の「神と人との共食」という儀式は、神様と人々の間をよりいっそう親しいものとします。
 そればかりか、その場に集う者同士お互いに親しみを増してきます。
 このようにひとつの場所に集まって、同じ時に、同じものを食べる共食は、祭りの日には欠かすことのできない行事のひとつといえるでしょう。
 農村に伝わる「刈り上げ祭り」も直会の一つです。新米を田の神様や氏神様にお供えし、その後この新米を村の戸数に分け合って食べるのです。神様と同じものを食べ、神様の力をありがたい気持ちで受けるのです。
 また、市街地にみられる「お日待ち」という神事にしても、講中や町内の人々が神事の後、一緒に会食するもので、場所は公民館や町内会館であっても、直会の形式をとっています。
 神社にお参りした時、社頭でいただく御神酒やご神せんも「直会」のひとつで、神様にお供えしたものを共食しているのです。


十一月

*宮の杜のもくじへ*

*↑* もくじ *↑*


ご意見、ご感想をお待ちしております。

[メールを送る]