宮の杜




14、お祓い


 私たちは産まれると同時に神様から、「みたま」というお働きを受けているのです。つまり、神様のおかげをいただいて、明るく、正しく、清らかな心をすべての人が産まれながらに持っています。
 けれども、人は生きていく間にともすると争いや偽り、欲望などの醜い感情にはしり、神様の心を忘れてしまうのです。これを穢れ(けがれ)といいます。身や心が穢れるとやがては他人に大きな迷惑をかけるようになります。
 また人は知らず知らずのうちに罪を犯している場合が多いのです。そこで、いつもこの心身のけがれをなくして本来の清らかで謙虚な姿に立ち返ろうと努めるために、大昔から伝えられてきたのが、この「お祓い」という神事なのです。
 神社では6月・12月それぞれの末に「大祓式」という過去半年の間に受けた罪穢れのすべてを祓い清めるおまつりがおこなわれます。
 また、神社での正式参拝の際、祓所で、
 「掛けまくも畏き伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊ぎ祓えたまひしときに成りませる祓戸大神たち もろもろの禍事罪穢あらんをば祓えたまへ清めたまへと白すことをきこしめせとかしこみかしこみも白す」
 と祝詞をあげています。麻や紙垂を束にした麻(ぬさ)や祓串という榊に紙垂のついたもので、お供物や参拝者をつぎつぎと左右左と振って清めています。つまりこれは修祓(しゅばつ)・お祓いといって参拝前にお祓いをしているのです。神様にお願いしてお祓いをすれば、その罪・穢れがなくなるという祓えの信仰が神道精神の根幹にあります。清らかな、きれいな心で参拝して日ごろの生活をさらに豊かに送りたいものです。



五月

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