宮の杜




16、御 幣 束 (2)


 御幣とは、幣帛(へいはく)の敬称で、幣帛とは、古くは、「みてぐら」「幣物」とも呼ばれ、古事記、日本書紀などでは、御幣・神幣などと表記し広義には神様に奉るものを総称していう言葉です。そして、神社の中で幣帛を置く場所を本殿と拝殿の間に設けた所があり、幣殿と呼んでいます。現在は御幣といいますと、一般的に相撲などで見られる形をしたもので、金銀の箔をした紙や白もしくは、青・黄・赤・白・黒の五色の紙を竹、または木の幣串(へいぐし)に挟んだ物を御幣といっています。これは昔、布帛を奉る時に串に挟んで奉ったのが変化して、今日の御幣の形になったといわれています。本来、金銀の紙を串に刺した形に変化したように、もとは神に捧げる物を意味した御幣が社殿の奥深くに立て神霊の依りたまうものとして、あるいは神前に据える鏡と同じく装飾として安置されたり、また、祓いの道具として用いられるようになったのです。祓いに用いる場合、祓いを受ける人の頭上に戴かせて、汚れを移す方法などがとられています。  
 なお、金箔で作った御幣のことを金幣といい、一本立て型のものと、三本立て型のものがあります。



七月

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