宮の杜




17、大 麻


 お祭りの儀式の最初に、祓詞を唱えて榊の枝や白木の棒に麻と多くの長い紙垂のついたもので、奉仕する神職やお供物・参列者に対して、左右左と振って祓います。これは穢れを祓い、すべて清浄な状態で神様にお祈りするためです。このお祓いに用いる祭具の一つが大麻(オオヌサ)で、また塩湯なども用います。「オオヌサ」とは「ヌサ」の美称で、神様に祈るときに捧げられる物で、罪を祓う時に差し出される物も「ヌサ」といい、幣・麻・奴佐などの字を当て、幣帛、御幣などと同じ意味に使うこともあります。
 この字を当てるのは、主に麻を用いたからですが、木綿や紙なども使われました。本居宣長(国学者)は、「神に手向ける絹布・木綿麻のこと」と述べています。
 お祓いの祭具として用いる大麻は榊の枝に紙垂や麻紐をつけたものの他に、特に六角または八画の白木の棒に多くの紙垂をつけたものを、特に「祓串(ハラエグシ)」とも呼んでいます。
 大麻で祓う方法は、祓う対象に対して左右左と振るのが一般的ですが、祓いを受ける人が、大麻を手で引きよせ肩などに当てて、罪・穢れを移す方法などもあります。
 神道はなによりも清浄を尊び、曲がったことを嫌いますので、罪汚れを祓う所作は、祭りに欠かせない大切なことです。



八月

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