宮の杜




24、幣帛


「幣帛の字義」
 幣は、神・天子・賓客に贈る立派な礼物。帛は、贈答に用いる薄絹の意味です。
「幣帛の広・狭義」
 広義では、神に奉献する礼物の総称を意味します。狭義では、天子・国家、または、地方官から神に奉る礼物を言います。
「幣帛を表す古語」
「みてぐら」があります。この語は「充案」からきた語。お供物を案一杯に盛って差し上げるという気持ちから出た語と考えられます。
 この「みてぐら」については、布刀(太:ふと)・宇豆乃(うづの)・豊幣帛(とよみてぐら)等の表現があります。神に献るものの貴さ、豊かさを言葉の上で、美称表現したものです。内容の差による語ではありません。
「幣帛の品目・勅使・献幣使」
 祭祀の種類により、また神社により異なりますが、古くは、布帛・衣服・武具・神酒・神せんなどの品目が記されています。現状では神社祭式で、神せんと幣帛とは、区別されており、幣帛も布帛などの現物の他に、幣帛料として金銭を紙に包んだ金幣が供えられています。幣帛を奉献する勅使や官吏などは幣帛供進使・幣帛使と呼ばれ、神社本庁から各神社への奉献の使者は、献幣使と呼ばれます。
「幣帛の礼法上の意味」
 神道では、神に対する礼には、心と形との二つありますが、形のうちでも、特に、幣帛を通して神に対する礼を表すのが古来の習慣であって、生活に根ざす伝統的なものです。拝や祝詞は、幣帛に添えるものと考えられています。
 



三月

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